C-2-4 能登半島地震に関わる共体験と共創

C-2-4
能登半島地震に関わる
共体験と共創

※ 動画が入ります

内容・方法・活動

山梨大学、山梨県立大学、甲州市がモデレーター、NPO等がコーディネーターとなり、地域住民および移住者、訪問者とも情報を交換しながら互助ネットワーク「共創の場」を形成する。
さらに、小さな水サービスの導入とともに、その水サービスを活かした共体験(地域の親水活動、水源保全活動、花木や作物等の栽培・植栽、環境の理解や教育のためのセミナー)を演出する。
その結果、社会的効用がどれだけ創出されたかをヒアリングなどによって明らかにする。社会的効用創出の結果を、共創の場あるいは共体験の方法などにフィードバックさせ、改善を図る。

結果

能登半島地震の緊急対応として、次の3件においてモバロカによる給水を試みた。


① ボランティア拠点(石川県輪島市三井町の委託管理施設)

当拠点では、これまでに3000 人以上、9 月の水害対応だけでも1000 人以上のボランティアを受け入れており、生活用水の供給のため、モバロカを導入した。その後も洗濯用水や風呂用水など生活の一部としてモバロカが活用されている。


② 災害時の孤立集落(石川県珠洲市真浦町の個人宅)

当地域では、能登半島地震発災から現在(2024 年12 月)まで水道インフラが未復旧であった。当地域においては、古くから使われていた水源の聞き取り調査・水源探索を行い、水質や距離を鑑みて、近隣の用水路を流れる沢水を水源として選定、各戸給水に至った。


産業復興支援(石川県珠洲市長橋町の企業)

500 年前から伝わる揚浜塩田の技法を用いて操業している当企業では、9 月の水害により図C-2-6、C-2-7 のように塩田に大量の土砂が流れ込み、堆積した土砂の除去、塩田としての機能回復に多くの清浄な水を必要とした。①、②の実証において蓄積された技術を活用し、モバロカシステムを車載(モバロカー)して現地訪問したところ、原水の選択(サガソカ) と取水(トロカ)に1 時間、モバロカの稼働と浄水に30 分と迅速な対応が可能であった。

図C-2-6 水害の様子
図C-2-7 土砂の堆積した塩田

特記事項

本活動を通し、モバロカによって現地で迅速に生活用水を供給するための重要な経験と気づきを得た。

①では、6 月に公営水道が復旧した後も多元給水を続けることを拠点運営者が判断し、今後は地域水源の保全や排水の再生にも活動を展開したいとしている。

②でも、住民と中間組織が相談して同様の判断を行い、小さな水による機器の搬入と実演後は、住民主導でシステムの設置と改良が行われた。

③では、被災前から公自どちらの水道も持たない地域であり、以前までの電力を大量消費する海水淡水化に替わりモバロカによる山水の浄化と用水の自給を望み、産業活動を再開して地域再生の一端を担うための舵を切った。

いずれにも共通することとして、使われなくなった水源を再生することによる効率的な利水と、使用者自身が装置を平時より管理することの2点が挙げられる。前者は本事業当初からの多元給水の実行であり、後者は、モバロカを普段使いすることで災害時でも特別な技術(者)を必要としないフェーズフリーの実行である。小さな水は能登半島で自走している。

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